骨髄異形成症候群(MDS)のFCM検査

※FCM(フローサイトメトリー)とは、フローサイトメーターと呼ばれる装置を用いて粒子を個別に分析する手法です。
FCM自体の詳細な仕組みや説明はとても難しいので、骨髄異形成症候群の診断にどのように使われているかを中心に紹介します。

FCM検査の目的

骨髄異形成症候群を診断するための検査として骨髄検査があり、作成された骨髄標本の観察(鏡検)は人間の目によって行われています。
標本の作成から鏡検において細胞を数えたり状態を判断するのは人間であるため、標本の出来や同じ対象を鏡検しても結果に個人差が発生してしまいます。

問題点
・骨髄穿刺の問題
⇒骨髄穿刺では、細い針を通して骨髄細胞を吸引します。
この吸引で、末梢血の交じりの少ない骨髄をとるには、経験が必要です。

・塗抹標本作製の問題
⇒吸引した骨髄細胞で塗抹標本を作製します。
"Particle"と呼ばれる細胞の塊を含みつつ、細胞が良く広がった(くっつき過ぎていない)標本を作製する必要があります。

・塗抹標本の染色の問題
⇒染色の出来映え(赤みが強過ぎない、青みが強すぎない、染色濃度が適正など)は、染色・試薬の管理や染色時間など、些細な条件で変化します。

・標本の読影力(検鏡力)
⇒極めて熟練度が問われます。世界でもトップクラスの骨髄異形成症候群の研究者の間でさえ、芽球細胞のカウントにある程度のばらつきがあります。

FCM検査の流れ

FCM検査では、細胞が1つ1つレーザー光の中を通過します。その際に細胞の特性に応じた反応が出ることにより、反応の結果をまとめて数値化、グラフに示すことができます。



例として、骨髄標本で複数の芽球細胞が観られた際に、その大きさが異なっている場合があります。
大きさの違う芽球が別々の種類であるかは、特性が明確に判断できない顕微鏡検査だけでは判りません。

FCM検査ではこのような場合に、大きさの異なる芽球の特性を客観的に判断できます。
 
Point ポイント

●通常のフローサイトメトリー検査(白血病解析セット)では、骨髄異形成症候群(MDS)の診断に有用な情報は得られません。

●緒方医師によって考案された骨髄異形成症候群用のフローサイトメトリー検査は、国際的な診療ガイドラインなどに数多く採用されている、診断の確認に有用な検査です。



参考動画:骨髄異形成症候群(MDS)検査の現実と問題点(Youtube)

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