骨髄異形成症候群(MDS)の治療

骨髄異形成症候群(MDS)と日常生活

骨髄異形成症候群は造血幹細胞に異常をきたし血球減少などを起こす病気であるため、 食生活や生活習慣で骨髄異形成症候群の進行を食い止めることは困難です。
そのため、日常生活では感染症などの合併症の予防に努めることが大切です。

日常生活で心掛けたいポイント
・バランスのとれた食事
・適度な運動
・感染予防
・出血予防
・楽しみ、好きなことを継続する
・充分な休息
・確かな情報を得る
・無理をせず、必要な時は助けを求める

治療前であれば、日常生活では適度な運動、バランスのよい食事など健康的な生活を心がけていきましょう。
治療中では、例えば好中球の量によっては食事内容に制限が発生するため、その場合は担当医と相談して適切な対応を心がけましょう。

参考動画:骨髄異形成症候群(MDS)患者さんが気を付けること(Youtube)


芽球の少ない骨髄異形成症候群の治療

血球減少は軽度であれば経過観察のみで十分です。
血球減少に関連する症状がみられた場合は、患者さんの病状、年齢、全身の状態などによって適切な治療法が選択されます。

強い血球減少が見られる場合
症状の強い貧血、感染や一定の出血症状が見られる場合には、
下記の治療法が検討されます。

@アンドロジェン(飲み薬)
Aネスプ(注射薬)
B輸血
輸血の頻度が高い場合はエクジェイドが併用されます。
エクジェイド……輸血で鉄分が過剰に上がった際に、鉄分を排出させる薬
C好中球生産刺激ホルモン(G-CSF)

きわめて強い血球減少が見られる場合
ビダーザ(アザシチジン)
血球減少が強く、@〜Cの薬で効果が見られない場合に実施される可能性があります。

ビダーザは異常な血液細胞を減らす効果や、がん細胞の増殖を抑える効果があると報告されていますが、正常な血液細胞も減少する場合があるため、適切な時期に使用する必要があります。
また、正常な血液細胞の減少で白血球(好中球)が減少すると感染症のリスクが高まるため、感染症に対する適切な治療も求められます。


芽球の多い骨髄異形成症候群の治療

芽球が多い場合でも、血球減少が軽度であれば経過観察のみで十分です。
強い血球減少が見られる場合
@ビダーザ
芽球が多く、血球減少が強い場合の治療はビダーザによる治療が主体です。
A輸血
輸血の頻度が高い場合はエクジェイドが併用されます。
B好中球生産刺激ホルモン(G-CSF)
C他の抗がん剤治療

ビダーザは、臨床試験では半数程度の患者さんに効果が見られたとの報告がありますが、
ビダーザが効かなくなった場合の治療は予後不良です。


Point ポイント

●ビダーザは、芽球の多い骨髄異形成症候群(MDS)の生命予後を改善するとの試験結果から承認された薬ですが、 市販後の調査では、芽球の多い骨髄異形成症候群であっても早期使用のメリットはあまりなく、病気が進行してからの使用が生命予後の改善につながるとされます
(Leukemia 2015, 29:1875-81; Am J Hematol, 2013, 88:566-570)。
緒方医師も、従来から同様な使用法を行い、良い治療成績を得ています。

●骨髄異形成症候群(MDS)の方では、同一の病型であっても、症状・検査所見・病気の進行スピードなど大きな幅があり、 「100人骨髄異形成症候群(MDS)の患者さんがいれば、100通りの対処が必要である」というのが緒方医師の持論です。
個々にあったきめ細かい対応が予後を左右すると言えます。



骨髄異形成症候群(MDS)と移植

造血幹細胞移植
正常な造血幹細胞(骨髄にあるおおもとの種の細胞)を移植して、造血機能を回復させることを目的とした治療法です。
インターネット上の医療関連のサイトによっては、
 
・「骨髄異形成症候群の治癒が期待できる唯一の治療法」
・「若い患者さんの場合は造血幹細胞移植を勧めます」

といったような言葉が見られ、骨髄異形成症候群と診断された患者さんに医師が移植を勧めるケースが多々聞かれます。
しかし、東京血液疾患診療所 緒方医師の動画や「患者の声」のページにあるように、移植を勧める医師が居る一方で、骨髄異形成症候群に対する移植は、予後を悪化させ、生活の質を悪化させるなど、マイナス面が目立ちます。
参考動画:骨髄異形成症候群(MDS)骨髄移植の問題点(Youtube)
参考:東京血液疾患診療所 患者の声

米国では2010年に公的医療保険が骨髄異形成症候群の造血幹細胞移植に対する支払いを、骨髄異形成症候群の治療に有益である明確な根拠がないとの理由で停止しました。
(移植が有効かどうかを検討する前向き試験へ参加した場合については支払いがされています。)
Point ポイント

●骨髄異形成症候群に対する移植は、マイナス面が多く、通常は勧められない。

●インターネットで得られる情報や、医師の認識が骨髄異形成症候群の現実と乖離していることが珍しくなく、情報を正しく得ることが重要である。

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